ミシェル・ウィリアムズの女優魂に脱帽! 再撮で10億円の映画『ゲティ家の身代金』

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巨大な力に屈しないこと。立ち向かえば大逆転のチャンスになること。ストーリーもさることながら、作品本体の完成までに、それを体現したかのような映画『ゲティ家の身代金』が、5月25日公開になります。

本作は、1973年、実際に起きた誘拐事件をもとに、名匠リドリー・スコット監督がメガホンを取ったシリアスドラマ。当時、世界一の大富豪とされたジャン・ポール・ゲティの孫(チャーリー・プラマー)が、イタリアの組織「ンドランゲタ」に誘拐されてしまいます。1700万ドル(約50億円)の身代金が要求されるものの、ゲティは支払いを拒否。一方、ゲティ家の夫と離婚し、縁の切れていた孫の母ゲイル(ミシェル・ウィリアムズ)には、大金の支払いは不可能です。それでもゲイルが息子を救うべく、犯人、ゲティという巨大なふたつの力と対峙してゆく勇ましい姿を描いています。

このように、実話ベースのストーリーも重厚ですが、映画の完成までにも逆転劇があったのが本作のすごいところ。その逆転劇を成し遂げたのは、監督や出演者、スタッフの執念にも似た情熱によるといっても過言ではないでしょう。

本来ゲティ役は、ケビン・スペイシーが演じており、2017年12月の公開にあわせて、すべて撮影がすんでいました。ところが11月、セクハラ疑惑でスペイシーが降板。お蔵入りになるかと思われましたが、急遽スコット監督は再撮影を決断したそう。ゲティ役にクリストファー・プラマーが決定し、わずか9日間でゲティの出演部分の追加撮影が終了。10億円以上の費用がかかったようですが、見事公開に間に合った背景があるのです。

こうした逆転劇のエピソードを持つ本作が、さらに厚みのある仕上りになっているのは、実は複数のテーマが隠れているから。ミシェルは本作を、「サスペンス」であると同時に「フェミニズム映画」でもある、と語ります。「男の世界の中で、ゲイルの言動がまともに受け止めてもらえず、彼女はあらゆる能力を使って、周囲と対等になろうとする」。その姿はまさに「戦う女性」。昨今、セクハラ被害にあったことを告発する女性たちのムーブメントに、どこか通じるものがあります。

巨大な力に屈しないこと。立ち向かえば大逆転のチャンスになること。皮肉にも、スペイシー降板の理由はセクハラ疑惑でしたが、これをきっかけに、たった1ヶ月の再撮で完成した本作に付加価値が付いたのも確かです。劇中、男の世界の中で奮闘する「戦う女性」ゲイルもまた、最後にはせいせいするほどの逆転劇はある、ということを教えてくれます。

映画『ゲティ家の身代金』は、5月25日公開。
http://getty-ransom.jp/

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